目標設定はする。

けれど、その前に大切なことがある。

私たち人間は、基本的に勤勉だと思います。
何かを学び、「よし、やってみよう」と前を向く。
目標を立て、そこに向かって進もうとする姿勢は、
ごく自然な営みです。

だからこそ、ここで一度、立ち止まってみたいのです。

目標を定める前に、
本当に見ておくべきものは何か。


目標設定がうまく機能しない場面を、
現場で何度も見てきました。

意欲が足りないわけではない。
努力していないとも言い切れない。
それでも、どこか噛み合わない。

多くの場合、
「今どこに立っているのか」が、
曖昧なまま進んでいるように感じます。


現状を把握する、というのは簡単ではありません。

自分のスキルや経験だけでなく、
うまくいっていない感覚や、
引っかかり、ためらい、
ときに自分を厳しく見てしまう視点も含めて、
今、何が起きているのかを見ていく必要があります。

正しいスタートラインに立つ前には、
「頑張ろうとする自分」よりも、
もう少し素に近い状態が求められることが多いのです。


目標設定までに時間がかかること自体は、
問題ではありません。

ただし、立ち止まり続けることとも違います。

今の現状を、できるだけ多く言葉にしてみる。
輪郭がはっきりしていなくても構わない。
取組む中での気づきによって、
それらは後から必ず構築されていきます。


スポーツ心理学では、
チャレンジの水準とスキルの水準が釣り合ったときに、
人は没頭しやすいと説いています。

このバランスが大きく崩れると、
諦めや回避が起きたり、
逆に物足りなさを感じたりする。

だからこそ、
何を目指すかの前に、
今どこに立っているのかを知ることが欠かせません。


ここで、もう一つ大切な視点があります。
謙虚さと遠慮は、似ているようで違います。

それらが弱みづかいになると

謙虚さとは、
与えられた機会に感謝し、
その場に真っ直ぐ向き合い、積極的な姿勢のこと。

一方で遠慮は、
譲ることで自分の関与を小さくし、
結果として成長や機会を逃してしまうことがあります。

とくに日本では、
譲り合いを重んじる文化の中で、
この二つが混同されやすい。

それが無意識のまま続くと、
チャンスや技術の向上に影響を及ぼすこともあります。
それが無意識のまま続くと、
チャンスや技術の向上に影響を及ぼすこともあります。

謙虚さや遠慮は、
人との関係を整える大切な力です。

相手を思いやり、
一歩引いて全体を見る。
それ自体は、とても価値のある姿勢です。

ただ、現在地を確かめる場面では、
その力が、
自分を小さく見せてしまうこともあります。

それが良い・悪いではなく、
どの文脈で使われているか、
という話です。


こうした在り方の多くは、
個人が長い時間をかけて身につけてきた思い込み、
いわば「OS」のようなものです。

このOSは、
無理に書き換えなくても、
ほんの一歩、外に出るだけで、
見え方が変わることがあります。

何かを克服しようとしなくていい。
急いで答えを出そうとしなくていい。

今、起きていることを、
そのまま確かめていく。


目標設定は、確かに行います。
けれどその前に、
自分がどこに立っているのかを知ること。

そこから始めるだけで、
進み方は大きく変わっていきます。


現在地を正確に捉えるというのは、
一人では意外と難しいものです。

良く見せすぎてしまったり、
逆に小さく見積もってしまったり。

だからこそ、
僕と一緒に、
いま何が起きているのかを確かめる時間が、
力になる場面があります。


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今、気になるものから辿ってみてください。

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