自信とは?

― 予め持っておくもの

 
いい結果が、自信をつくる。
そう思われがちだが、その自信はとてもテンポラリーなものかもしれない。

勝てたから自信がある。
結果が出ているから大丈夫。
評価されたから前に進める。

それ自体は自然な感覚だ。
けれど、その自信は次の結果が出るまで、
果たして持ちこたえてくれるだろうか。

逆に、自信とは何だろう。


スポーツの世界で「自信」という言葉は、
頻繁に使われる。

だが、スポーツメンタルコーチとして
多くの選手と向き合う中で感じるのは、
自信は結果によって得られるものではなく、
予め持っておくもの
だということだ。

自信には、大きく分けて三つの種類がある。


一つ目は、誤った自信。

虚栄心や過剰な期待に基づいた、
実力や内面が伴っていない不安定な自信。

これは、
少しの失敗や想定外で簡単に崩れてしまう。


二つ目は、条件付きの自信。

「調子が良い時だけ」
「結果が出ている時だけ」

こうした条件の上に成り立つ自信は、
プレッシャーや逆境に弱い。

多くの人は、
無意識のうちにこの二つの間を行き来している。


そして三つ目が、無限の自信。

結果や状況に左右されず、
どんな場面でも
「今できるベストを尽くせる」と信じて立てる心。

これは精神論ではない。
自分がどの時間に立っているか
その感覚の問題だ。


結果は未来にある。
だが、メンタルは今にしか存在しない。

だからこそ、
結果が出てから心を整えるのではなく、
結果に相応しいメンタルを、先に手に入れる
という考え方がある。

スポーツメンタルコーチングの中で
繰り返し語られてきたメッセージだ。


人が不調に陥るとき、
多くの場合、時制がずれている。

過去の後悔に引きずられるか、
未来の結果を先取りしてしまうか。

どちらにしても、
人は「今」に立っていない。

無限の自信とは、
現在形に立っている状態とも言える。


コーチングがなくとも、
人には本来、気づく力がある。

大切なひとを亡くしたとき。
大好きな場所から離れざるを得なかったとき。
負傷して機会を損なったとき。
関係が切れてしまったとき。

そんなとき、人は否応なく
「今まで当たり前だったもの」に気づく。

あたりまえに感謝の念が湧き、
あたりまえに決意が生まれ、
あたりまえに少し素直になれる。

人は、
失った瞬間に現在形へと引き戻される。


けれど、本当は
それを何かが起きてから待つ必要はない。

僕がこれまでも、
そしてこれからも提案していきたいのは、
健常な今に気づくということだ。


では、なぜスポーツメンタルコーチングなのか。
なぜ、コーチという存在が必要なのか。

それは、
人には気づく力がある一方で、
一人では、現在形に戻り続けることが難しいからだ。

スポーツメンタルコーチングは、
自信を与えるものではない。

すでに内側にある感覚に気づき、
時制を「今」に戻すための対話だ。


誤った自信でもなく、
条件付きの自信でもなく、
無限の自信を携えて生きること。

何かを失ってからではなく、
何も失っていない今に気づける人を
増やしていきたい。

それが、
僕がスポーツメンタルコーチングを続けている理由であり、
「自信とは何か」を伝え続けたい理由だ。


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