フィルムを変えてみる

— 見えているものは、ひとつじゃない —

 

イメージトレーニングをしていて、

どうしてもうまくいかないときがあります。

思い描いているはずなのに、

どこかしっくりこない。

身体も反応しない。

そんなとき、無理にその映像を続けようとすると、

余計に苦しくなることがあります。

 

一度、バスケットボール選手に

フリースローの前に3分間、

シュートが入る弾道をイメージしてもらい、

その後に実際に10本打ってもらったことがあります。

結果は、10本すべて成功。

目の前で、その変化を見たことがあります。

 

イメージするものは、本来さまざまです。

環境、場所、シーン、フレーム、距離、流れ。

ただ、それらを並べ始めると、

少し違うものになってしまう気がしています。

 

もしかすると、それは「内容」の問題ではなく、

「視点」の問題かもしれません。

 

イメージトレーニングがうまくいかないと、

いつの間にか「イメージすること」自体が目的になってしまうことがあります。

本来、イメージは内から湧いてくるもの。

それを、出来る・出来ないで捉え始めたとき、

少し苦しさが生まれるのかもしれません。

 

だからこそ、

うまくいかないときに無理に整えようとするのではなく、

ほんの少しだけ、見ているものを変えてみる。

 

フィルムを変えてみる。

レンズを変えるでもいいし、

切り取り方を変えるでもいい。

言葉はなんでもいい。

自分に染み込む感覚で捉えてみてください。

 

例えば、自分の目線でプレーを見ているときに、

どこかしっくりこないのであれば、

三塁側のスタンドから眺めてみる。

ベンチから見てみる。

もっと引いて、ドローンに乗ったように俯瞰してみる。

 

すると、不思議と見え方が変わります。

力んでいた自分が見えたり、

逆に、思っていたより自然に動けている自分に気づいたり。

 

視点が変わるだけで、

同じプレーでも、まったく違うものとして感じられる。

 

そして、その中に

今の自分にとって「しっくりくる感覚」が

ふと見つかることがあります。

 

無理に正しい映像を作ろうとしなくていい。

 

見えているものは、ひとつじゃない。

 

だからこそ、

変えてみる余白を持っておく。

 

それだけで、

少し肩の力が抜けることもあります。


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