スポーツの現場では、うまくいかない理由を
「メンタルが弱い」
という言葉で片づけてしまうことがあります。
もちろん、メンタルが影響している場面はあります。
けれど、すべてをメンタルのせいにしてしまうと、
本当に見るべきものを見落としてしまうことがあります。
それは、疲労かもしれない。
相手に読まれているのかもしれない。
体力や成長段階の問題かもしれない。
見えている現象と、内側で起こっていることは、必ずしも同じではありません。
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ここ数年、高いステージで首位争いをしていた。
ローテーションの軸として何年間も支えてきた。
Jリーグとルヴァンカップ、天皇杯を並行して戦い続ける。
トーナメントが押してくると、連戦に入る。
疲れが出た時は、どこか手を抜いたように見えたり、気が抜けたように見えるシーンもある。
心は反応している。
脳も状況をキャッチしている。
けれど、体がついてこない。
ちゃんと間隔を空けているつもりでも、肉体は気づかないうちに蝕まれていることがある。
レントゲンには映らない疲労。
チームの中心として背負い続ける責任感。
そのゲームだけの佳境で起こる疲労感と、積み重なった慢性的な疲労感を見分けることは、極めて難しい。
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メンタルが原因ではなく、読まれていることもある。
何を投げても打たれる投手。
原因がわからない時、人は「メンタル」や「コンディション」の問題として分析し始める。
けれど、単純に相手打者に読まれているだけなのかもしれない。
かつて、高津臣吾投手や、馬原孝浩投手は、抑えとして苦しい時期を経験し、一度先発へ回ったあと、再びストッパーへ戻っている。
その過程で、新しい投球術や間合いを覚え、新しい感覚を掴んだとも言える。
メンタルが弱かったというより、環境や役割の変化によって、新しい引き出しが増えたのかもしれない。
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小学生や中学生の保護者様から相談を受ける際にも、
「うちの子はメンタルが弱いんです」
という言葉を聞くことがあります。
技術的には申し分ない。
けれど、本番になると力を出せない。
そう感じている保護者の方は少なくありません。
もちろん、個々の内容をお伝えすることはできませんが、実際に話を聞いてみると、本人の中ではうまくいっている感覚を持っているケースも多い。
そして、その多くは、周囲との比較の中で生まれていることがあります。
特に小学生年代は、4月生まれと3月生まれで、体格差や筋力差が大きい。
もちろん、小さくても感覚やバランスに優れている選手もいます。
ただ、メンタルが弱いのではなく、身体の成長とともに自然とできるようになることも多い。
だからこそ、
見えている現象だけを切り取って、
「メンタルが弱い」
と決めつけることには慎重でありたいと思っています。
疲労かもしれない。
読まれているだけかもしれない。
体力や成長段階の問題かもしれない。
もちろん、メンタルが影響する場面はあります。
けれど、現場で本当に大切なのは、
「何が起きているのか」を丁寧に見ていくこと。
見えている現象と、
本人の内側で起こっていることは、必ずしも一致しません。
だからこそ、スポーツメンタルコーチングでは、
表面の結果だけではなく、
その人の中で起こっている感覚にも耳を傾けていきます。
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