切れ味がよく、力強く、行動力があると言われる僕ですが、自信がないことも多いです。
逆に、自信がない時のほうが多いのかもしれません。
僕の場合は、「自信はないけれどやっている」と言ったほうが正しいのかもしれません。
これまで3,000時間ほど、多くのクライアントと1on1のダイアログを行ってきました。
その中で、
「私は自信がないんです」
と言われることが本当に多い。
普段は口ごもってしまう人でも、この言葉だけは言い切る。
それくらい、自信がないということなのでしょう。
このままでは終わりたくないと言う人。
ライバルにレギュラーを奪われることを不安に感じるユースのサッカー選手。
部下とのコミュニケーションに悩む敏腕経営者。
「えっ、この人が?」
と思うような人まで、みんな自信がない。
でも僕は、その根底には、人やチームや物事を大切に思う気持ちがあると捉えています。
自信はないといけないのか
自信という言葉は、いかにも力強く良い言葉に聞こえます。
しかし、その捉え方は人それぞれです。
日本人特有なのかもしれませんが、
「自信がないとダメだ」
という空気が、人を追い込んでいる場面も少なくないように感じます。
自信満々の状態で圧勝することもあるでしょう。
一方で、自信がなく躊躇していたら相手が勝手に失敗して勝った、ということもあります。
第三者的な勝敗の視点で言えば、自信はあってもなくてもいいのかもしれません。
自信とは何か
今から30年以上前、高校野球の審判をしていた頃のことです。
熊本県立氷川高校のある投手を思い出します。
当時の氷川高校は、どちらかと言えば強豪校ではありませんでした。
エースは一人。
そして、自滅型の投手でした。
最後の夏の県予選。
氷川高校は快進撃を続けます。
オープン戦では自滅して当たりどころなく振る舞っていた彼が、試合を重ねるごとにコントロール良く投げ、チームは勝ち進んでいきました。
そして迎えたベスト8。
何かの縁か、その試合で球審を務めたのは僕でした。
結果はシード校相手に0対10。
5回コールド負け。
けれど、その時の彼の姿が忘れられません。
オープン戦では判定に不満を示し、
打たれれば地面を蹴っていた彼が、
打たれても打たれても笑顔で腕を振り、
ストライクゾーンに投げ込んでくるのです。
試合中の笑顔。
そして試合後の笑顔。
あの表情は今でも忘れられません。
自信とは何か。
そう問われると、
僕は言葉ではなく、あの時の彼の笑顔を思い出します。
自信とは
僕は、自信という言葉の中には、
「自分の肉体を通じて、自分を思い切り表現できる状態」
という意味も含まれているのではないかと思っています。
もちろん、自信の捉え方は人それぞれです。
だからこそ、
まずは自分にとっての「自信がある状態」をイメージしてみる。
そこから始めてもいいのかもしれません。
自信は先に持つもの
自信は経験から生まれることもあります。
しかし、これからの時代は前例のないことばかりに直面します。
初めて対戦する相手に、
経験がないから自信がない。
それでは勝負になりません。
体力や技術を磨くこと。
成功や失敗を積み重ねること。
もちろん大切です。
けれどそれ以上に、
結果に関わらず、
競技の内外に関わらず、
常に自分でいられること。
氷川高校の投手が見せてくれた、
堂々とコールド負けしたあの笑顔。
あの状態を、負けた後ではなく先に手に入れる。
それがスポーツメンタルコーチとして、僕がサポートできることの一つです。

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