数日経ちましたが、阪神タイガースの 森下翔太 選手が退場処分を受けました。
長く競技を続けていれば、そんな日もあるでしょう。
僕から見た今季の森下選手は非常に状態が良く見えます。
WBCでも打線の軸を任せられるのではないかと思うほどの充実ぶりで、その状態がシーズンに入ってからも続いているのは本当に素晴らしいことです。
だからこそ興味があります。
調子が良い時、人はどんな感覚で毎日を過ごしているのだろう。
地に足がついているのか。
それとも、うまくいっているからこそ、どこかフワフワした感覚があるのか。
本人にしか分からない世界があります。
調子が良い時の弱み
身体がよく反応している時というのは、同時に様々なものに敏感になっている状態とも言えます。
ボールの回転。
打球の質。
相手投手の癖。
そしてストライクゾーンのわずかな違い。
高いレベルで勝負している選手ほど、その違和感を感じ取る力も高くなります。
だからこそ、ある瞬間に抱えきれないほどのエネルギーが噴き出すこともあります。
How to の前に
メンタルトレーニングの世界では、
「コントロールできることに集中しよう」
と言われます。
確かにその通りです。
審判の判定はコントロールできません。
相手選手も、監督も、天候もコントロールできません。
だから戦わない。
これは大切な原則です。
けれど、僕はその前にもう一つ大切なことがあると思っています。
それは、
自分が揺れていることに気づくこと。
揺れていることに気づかなければ戻ることもできません。
コーチの役目
球審の判定に反応してしまった。
そこで終わらせないこと。
僕が興味を持つのは、
「なぜ反応したのか」
です。
一分一厘を争う状態だったのかもしれない。
最短でメジャーに挑戦したいと思っているのかもしれない。
焦りがあったのかもしれない。
身体のどこかに痛みがあったのかもしれない。
プライベートで何かあったのかもしれない。
あるいは過去の積み重ねがあったのかもしれない。
もちろん本当のことは本人にしか分かりません。
そして本人ですら気づいていないこともあります。
だから対話がある。
最後に
大観衆の前で。
相手チームの前で。
味方の前で。
思わず反応してしまうこともあるでしょう。
人は、その瞬間の言動だけを切り取って、
反省や改善を求めたくなるものです。
けれど僕は、その前に、
誰にも理解されないほど自分を追い込み、
高いエネルギーで毎日のように勝負の世界に立ち続けていること自体を尊重したいと思っています。
感情が揺れることも、
怒りが湧くことも、
人として自然な現象です。
大切なのは、
それらを抑え込むことでも、
なかったことにすることでもなく、
その奥で何が起きていたのかを丁寧に味わうこと。
そのプロセスの中で、
本人もまだ知らない自分に気づくことがあるかもしれません。
安易な反省よりも、
存在とプロセスを認めながら、
これからも高いパフォーマンスを発揮し続けるために、
共に味わい、
共に見つめていく。
それがスポーツメンタルコーチである僕の役割であり、
大切にしている在り方でもあります。
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