森保ジャパン、予選真っ只中ですね。
結果云々の楽しみ方はありますが、僕が注目しているのは、森保監督が「いる人間でやる」と言う腹の括り方です。
どんなチームにも精神的支柱と呼ばれる存在がいます。
これは心の支え、異文化への適応を助ける存在、状況を落ち着かせる存在、技術的な支えなど、挙げればきりがありません。
そういった人物がチームに必要であることに変わりはありません。
一昔前までは、試合にほとんど出場できない選手であっても、影響力や実績、存在感といった象徴的な役割を担い、帯同していたケースの方が多かった時代もありました。
いわゆる、
「実績があるから外さない。」
あるいは、
「実績があるから外せない。」
そんな空気が確かにあったように思います。
しかし、今回の森保監督からは、その空気をあまり感じません。
「今、このチームで戦える選手で戦う。」
そんな強い意思を僕は感じています。
26人のメンバーの中で、ひと試合で全員を使うことはありません。
しかし、競合相手に勝つためには、26人全員が戦力である必要があります。
日本人の強みと世界の進化。
その狭間で、監督の悩みは尽きないでしょう。
最強だとイメージしていたチームに入っていた選手が使えない。
そして何より、ここまで同じ目標を共有し、同じ時間を過ごしてきた選手との別れを決断する。
その重さは、他者には想像できないほどのものがあるでしょう。
森保監督が向き合ったものは、
かわいそう。
仲間意識。
結果。
本人への伝え方。
世論。
サポーター。
協会。
日本サッカーの歴史。
数え始めればきりがありません。
少し冷たい言い方になるかもしれませんが、これらはすべて外側、つまり外的要因です。
もしかすると森保監督は、
「外すしかない。」
という答えは、すでに出ていたのかもしれません。
それでも、その答えと外的要因とのギャップに苦しんだのではないでしょうか。
実績を否定することと、実績に縛られることは違います。
過去への感謝を持ちながらも、今、この瞬間に最も必要な選択をする。
その決断こそが、組織を前へ進めることもあります。
実績と向き合うとは、実は過去にとらわれないことなのかもしれません。
スポーツでも、ビジネスでも、人生でも。
私たちは、「答えは分かっている。」
それでも決断できない。
そんな場面に何度も出会います。
能力や知識が足りないからではありません。
答えと、外的要因との間に生まれるギャップが、決断を難しくしていることが少なくないのです。
こうしたギャップに向き合う時、伴走するのがコーチの役目だと僕は考えています。
コーチは答えを教える人ではありません。
外側から聞こえてくる様々な声と、自分の中にある答えとの間に生まれたギャップを一緒に見つめる。
そして、自分自身が納得して決断できる状態まで伴走する。
それが1on1ダイアログで、僕が大切にしている時間です。
目標を達成するためだけではなく、自分自身の答えと向き合うために。
その時間が、結果として大舞台で自然体のパフォーマンスにつながっていくのだと思っています。
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